彷徨うキムンカムイ

家の鍵失くしちゃった

非IT系人間のMisskeyサーバー運用所感

私は思いついたことを書かずにはいられない性分で、なかでもネガティブな感情は「誰かに見てもらえる期待」を込めてついネットに放流してしまう。これでは共感疲労を広げるばかりでいけないと思い、最近になってある試みをした。オープンソースの分散型SNSアプリケーションであるMisskeyAWSのEC2インスタンスにインストールし、何人か受け入れられる状態で運用を始めたのである。

これと言って面白いオチはないが、良かったと思うことをいくつか挙げてみる。

Webサービス運用という新しい体験と趣味を得た

自分にとってもっとも利益があると思えるのは、Webサービスを運用、提供するという新しい体験ができたことである。

そして、いわゆる「おひとり様サーバー」ではなく、発見してくれた人を何人か受け入れられる様態にしたことで、その奥深さを知ることも叶った。ユーザビリティ、セキュリティや可用性を考えた構成が必要であるから、システム構成と呼べるひとつの体系を自分で編み出さざるを得ない(その領域に足を踏み入れることになった)のである。

 

手を動かしていると、作業時間の9割は調査・学習に割かざるを得ない。もともと私は新しい知見を得ることを至上の喜びとする性質である。問題解決から得られる報酬系の刺激も大きい。運用を開始して、サーバーを止めること数十回、知らず知らずのうちに新しい趣味を得ることになった。

IT系の資格の勉強になった

以前から「自分の最も強い分野にITを組み合わせて事業展開したい」と考えていたが、一歩踏み出すことができなかった。身の回りに業界人がおらず、どの程度の学習や実績を積めばいいのか測ることが叶わなかったためである。そうとなれば、国家資格に挑戦して実力の自己測定と証明をするのが近道だが、テキストを開くと知らない用語ばかりで退屈であった。

Misskeyサーバーの運用では「IPアドレスとは何か」「ハッキング手法にはどんなものがあるのか」「データベースやSQL文の基本」といった基礎知識が欠かせない。ネットでツギハギの知見を得て運用を開始することになったが、トラブルが発生した際は、上記の基礎を体系的に見直すところから対処が始まる。こうして私は富士通メディアラーニングの基本情報技術者試験テキストを実践的に使うことになった。おかげで科目A・科目Bともにかなり自信がつき、すぐ試験に臨める段階になった。

 

※余談だが、科目Bの学習は、既存の技術スタックを使ったWebサービス運用だけでは間に合わなかった。生業として技術を提供する人にとっては、そりゃそうだろうという話であろう。何はともあれ、テキストとは別にIDEを使って学ぶ動画講座をUdemyで買い求め、知識を網羅した。

想いの石棺としての、自主運用SNS

私の抱えるネガティブな想いは、法律的な問題も絡むし、カウンセラーや医師から「災害」だと指摘されている。薄ら開示できる様態で書かざるを得ないという性分に抗えないとすれば、見る人の感情を著しく汚染する加害行為に注意を払う必要がある。私には、かの原発事故で言う「石棺」のような場所が必要だった。

いつでも閉鎖できる自主運用SNSはまさにふさわしいツールであるし、Misskeyの投稿機能も目的にかみ合った。フォロワー限定の投稿だけでなく、URLが分からないとたどり着けないがサーバー内には公開されるチャンネル機能も搭載されており、己の性が求めるままに想いの公開範囲をコントロールできる。

 

私の自主運用SNSのコンセプト、ポリシーについては、少し体裁を整えた上で、サーバーの説明として掲載した。現在利用していただいている方々には、言うなれば「長距離バスの座席に設置されている袋」のように、意図した使い方をしていただいている。

石棺のタイムラインが全く流れないのは、周囲の幸福や新しい旅立ちを暗に示している。このようにしてゆるく繋がる世界をまさに求めていたし、提供したかった。良い運用体験を今も得続けている。

 

以上、Misskeyサーバー運用に関する走り書きとする。